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研究発表会|国語の「書くこと」に関わる実践を平成20年11月14日に発表しました。              update.20.11.17
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 土岐市教育委員会の教育課題研究指定校(H19.20)を受け、ここにささやかながら研究の一端を発表する機会をいただきました。
 本校は、この2年間、土岐市の教育課題であります「学ぶ楽しさのある授業」づくりに向けて、「豊かに自己表現できる子〜書く力を高める指導の工夫〜」という視点をもって進めて参りました。書くことの利点として、「もの事を考え・整理するのに有効性が高い」、「論理性を高める」、「記録として残る」などがあります。それは、今子ども達に求められている「自ら考え主体的に判断する力」=「生きる力」(一部)の育成に通ずるものと考えています。
 しかしながら、書くという活動は個人差が大きく、その対応に頭を悩ませております。そうした中、「書く力を身につけることは、次の時もつかえるものになる。読解の時は偶発性があるが、書くことは偶然ではない。」というご指導を心のよりどころとして研究を進めてきました。即ち、基礎・基本の習得を進めることによって、できるようになること、その事が次への意欲を喚起するという一連の流れで、確かな知識と技能を身につけ学ぶ楽しさを感じてくれることと考えてきました。
 職員は、それぞれが子どもを見つめ、教科の本質を見つめ、主体的に学ぶ子どもの育成に向けて努力を重ねてまいりました。しかしながら、研究の深まりにつれ授業研究の奥の深さや子どもの実態把握の難しさ・個人差への対応の難しさ再認識されるばかりで、遅々とした歩みを続けているのが現状です。
 そうした状況ですが、個を認め、集団の中に位置づけ、指導援助することで子どもの成長を促すため、一層の努力を重ねなければならないと考えています。
 これまでご指導いただきました東濃教育事務所、土岐市教育委員会・教育研究所の先生方、その他お世話になりました多くの先生方に厚くお礼申し上げます。
平成20年11月14日   

学校長   有賀 秀雄

     



子どもと授業を大切にし、「生きる力」を
はぐくむ
・素直で明るく、見通しがもてれば活発に活動できる。
・論理的に考えを整理していくことができる児童が育ちつつある。
・よりよい仲間関係を築くために、児童会を中心として「ニコニコ言葉」を使うように広め、相手を考えた言葉が使えるようになってきている。
「学ぶ楽しさのある授業」
書くことにおいて、
・言語に対する理解を深め、課題がもてる
・自分の表現に生かすことができる
・仲間と表現のよさを認め合える









   児童の興味・関心・意欲を大切にしながら、書くために必要な基礎的な技能を継続的・系統的に指導するとともに、自分の思いや考えを効果的に書き表すことを習得させれば、一人一人の児童の書く力は高まり、目的や意図に応じ、考えたことなどを筋道を立てて豊かに表現できる子が育つであろう。



  1.指導と評価の工夫
(1)児童に興味・関心をもたせ、意欲的に追求させる単元構想の工夫
@意欲をもたせる題材の設定
Aつけたい力の具現を図る単元指導計画の作成
(2)一単位時間の指導・評価の工夫
@課題化(導入)
A個に応じた指導・援助
B自己評価・相互評価
2.基礎・基本の定着を図るための取組
(1)国語科における「書くこと」を系統的に捉えた年間指導計画の作成
(2)意図的指導のある「書く」場の設定
(3)作文スキル等の補充的学習


  1.学習姿勢(話す・聞く)
2.鉛筆の持ち方



平成20年3月に告示された学習指導要領では,日常生活に生かすことができるような児童の言語活動の充実を求めています。言語に対する基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,「生きる力」となるよう,さらに研究を進めていきたいと考えています。成果と課題→




  1つめは,指導と評価の工夫です。国語科の授業の書くことを中心にして,児童の興味・関心・意欲を大切にしながら,書くために必要な技能や 思いや考えを効果的に表現することを 習得させていくための指導と評価の工夫をしていきました。



・児童が「書きたい」という 強い思いをもって活動するためには,自分が経験したことや学んだことを相手に伝えたいと思える題材を設定していく必要があると考えました。そこで,日常生活や他教科との関連を図り,誰に、何のために、どのような場面や状況で、どんな方法を使って、どのように評価してもらうかという5つの言語意識を具体化していきました。

<1年生>,「手紙をかこう」の単元では,誰に手紙を書くとよいのかを児童と話し合いました。担任が出張で抜けた時に,クラスに入ってもらったり,休み時間によく一緒に遊んでもらっていたりするM先生に手紙を出すことに決めました。そして,児童に常に意識させることで,M先生に「ありがとう」という気持ちと「これからも一緒に遊んでほしい」という強い思いをもって手紙を書かせることができました。

(日常生活) おせわになった先生へてがみをかこう。

相手意識 お世話になったM先生に
目的意識 感謝や願いを伝えるために
場面・状況意識 手紙で
方法意識 伝えたいことを2,3文にして、ていねいな文字で書く
評価意識 感謝の気持ちや願いが伝わるか友達と感想を交流する


<2年生>,お話,大すき「こんなお話を考えた」の単元では,自分たちが考えたお話を紙芝居にして一年生の子に聞かせるという活動は,二年生のお兄さん,お姉さん意識をくすぐり,「一年生が楽しんでくれるようにがんばって作ろう」と最後まで意欲が持続した。

(生活科) 一年生の子に物語を作って読んであげよう。

相手意識 一年生の子に
目的意識 自分で考えたお話を紙芝居にして聞かせてあげるために
場面・状況意識 一年生への発表会で
方法意識 絵を見て考えたお話を紙芝居にする
評価意識 一年生の子に感想を聞く


<3年生>,分かりやすく書こう「おもしろいもの,見つけた」の単元では,児童に意欲をもたせるためには,友達に紹介するおもしろいものをいかに見つけるかという材料集めが重要であると考えた。そこで,休日に家の周りや外出先で友達に紹介できるおもしろいものを意識して探したり,校舎内や校庭・屋上などを歩きおもしろいものみつけを楽しんだりすることで,表現する意欲を高めることができると考え,活動をしながら材料集めをした。

(国語科) 自分が見つけた「おもしろいもの」をクラスの友達に知らせよう。

相手意識 クラスの友達に
目的意識 自分で見つけたおもしろいものを紹介するために
場面・状況意識 クラスでのおもしろいもの発表会で
方法意識 構成や比較,事実などの表現を工夫して作文にする
評価意識 友達に感想を書いてもらう

<4年生>,伝えたいことをはっきりさせて書こう「新聞記者になろう」の単元では,身近に起きた出来事や事件のほか、4年生が飼育しているアヒルの卵がふ化したことをもとに、他学年にアヒルのことをわかってもらうために新聞を書くなど、自分たちの体験を大切にしたテーマを設定することができました。

(日常生活) 生活をよくするために調べて分かったことを友達に伝えよう。

相手意識 学校のみんなに
目的意識
場面・状況意識 新聞にまとめて
方法意識
評価意識


<5年生>,「手紙をかこう」の単元では,総合的な学習の時間「米作り」と関連させて、地域で唯一の田んぼを所有される「酒井さん」の好意により「米作り」を体験させていただきました。児童は、「田植え」「稲刈り」をさせてもらうだけで、途中の大変な作業はすべてボランティアで引き受けてくださっています。その酒井さんに、感謝の気持ちが伝わるお礼の手紙を書こうという課題で学習に取り組み、相手意識・目的意識がはっきりしていたので書く意欲が高まりました。「ありがとう」を使わなくても、感謝の気持ちがよく伝わる文章を書くことができました。全員のお手紙を受け取った酒井さんは、「一人一人の手紙から子どもたちの気持ちが伝わってきた。」と、大変喜んで下さった。

(総合の時間) おせわになった酒井さんに気持ちの伝わる手紙を書こう。

相手意識 お世話になったM先生に
目的意識 感謝や願いを伝えるために
場面・状況意識 手紙で
方法意識 伝えたいことを2,3文にして、ていねいな文字で書く
評価意識 感謝の気持ちや願いが伝わるか友達と感想を交流する

<6年生>,「ガイドブックを作ろう」では、自分たちの修学旅行を振り返り、5年生のために、本当に役に立つガイドブックを作りたいという気持ちをもたせ、学習することができました。「自分たちが利用したガイドブックには必要以上の情報があって使いにくかったこと」「6年生の修学旅行に必要だと思われる体験情報の載った使いやすいガイドブックがあったらいいのに」という強い思いが気持ちの持続につながりました。

(特別活動) 5年生に、本当に役に立つガイドブックを作ろう。

相手意識 5年生に
目的意識 修学旅行のことを知らせるために
場面・状況意識 オリジナルガイドブックを使って
方法意識 体験したことをもとに,話しかけるような、わかりやすい文で
評価意識 5年生の子に行ってみたいところ・見たい場所ができたか感想を聞く


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・単元を通してつけたい力を指導書にある指導事項の重点をもとに考え,児童の実態から書くことの指導事項の中で重点を設定していくようにしました。そして,単位時間ごとのねらいを明確にし,評価規準を設定していきました。また,単元の導入では,児童に見通しをもたせるよう書く手順が明らかとなる学習計画を立てる時間を位置付けるようにしました。



<2年生>お話,大すき「こんなお話かんがえた」では,「はじめ」「なか」「おわり」の構成と,各場面のつながりを意識してお話を世界を膨らませて書くことの大切さに気づいて学習を進めることができた。

目 標 学習活動 評価規準
2
3  紙芝居作りの学習の見通しをもつことができる。 ・お話・紙芝居作りの手順を確認する。
・紙芝居作りの学習の見通しを立てる。
・発表会でだれに読んであげたいのか考える。
・登場人物のキャラクター設定をする。
紙芝居作りの学習の見通しを持ち,意欲的に取り組もうとしている。<関・意・態>[観察]
4  3枚の絵からお話の順序を想像して,「はじめ」「なか」「おわり」の流れで簡単なあらすじを考えることができる。 ・紙芝居の作品例を見る。
・3枚の絵を自由に並べて「はじめ」「なか」「おわり」を決め,それぞれ「何をしているところ」かと中心となる会話を簡単に書く。
「はじめ」「なか」「おわり」の順序を決め,簡単なあらすじを考えている。<書>[ワークシート] 
5

<3年生>分かりやすく書こう「おもしろいもの,見つけた」では,様子がよく分かるように伝えるための表現方法(比べて表す,事実を表す)を知りその方法を使って文章を書く練習をする時間を設定した。この時間を設けたことで,全員の児童が自分の文章に比較の表現を用いることができ,半数以上の児童が事実を表す表現を増やすことができた。

目 標 学習活動 評価規準
9
10 様子を伝えるための表現の工夫を理解し,その方法を使って文章を書くことができる。 ・例文を参考に,様子を伝える方法を知る。
・習った表現方法を使って,文章をかくことができる。
様子がよく分かるように伝えるために,様子を伝える表現方法を知り,書くことができる。(オ)[作品]
11 理解した表現方法を使って,自分の文章を訂正することができる。 ・自分の文章を様子がよく分かるように訂正する。 おもしろいものの様子がよく伝わるように,訂正することができる。(オ)[作品]
12

<5年生>調べたことを詳しく書こう「言葉の研究レポート」での実践です。「まとめ」の中には,調べた事柄の内容と各段落が対応していること,一つの段落の中には「事実」と「考え」が入っていること,最後の段落には「今後の課題」や「感想」が入っていることを資料から気づかせる必要があります。単位時間の導入では,時間が十分でないことは明らかです。
 そこで,「まとめ」の記述をする前にもう一度,「まとめ」に書かれている内容から気づかせる時間を設定しました。この時間を設定したことで,次の時間の児童は,「まとめ」の記述をよく理解し,自分のレポートに生かすことができました。

目 標 学習活動 評価規準
10
11  教科書の本文からまとめの文章の特徴をつかむことができる。 ・教科書の本文を読む。
・まとめの文章の意義を考える。
・まとめの文章の書き方をつかむ。
 教科書の本文からまとめの文章の書き方を理解している。 ウ(プリント)
12  まとめの特徴を確認し,まとめの文章を書くためには自分の調査内容に関わる事実に意見を加えたり最後の段落に今後の課題を入れたりする書きぶりに気づき,まとめの文章を書くことができる。 ・まとめの役割を確認する。
・自分の調査内容に関わる事実や意見を確認する。
・まとめの文章を書く。
 自分の調査内容に関わる事実に意見を加えたり最後の段落に今後の課題を入れたりすることができる。  ウ,エ(作品)
13

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・ここでは,「つかむ」「ふかめる」「まとめる」の各段階で,どのような指導をしていくことが,「書くために必要な技能」,「思いや考えの効果的な表現」の習得につながるのかを研究しました。
「つかむ」段階では,追究の目的や方法を明らかにする導入を行います。
そのために,効果的な資料提示を行いました。
・効果的な資料提示として,「比較資料」や「よさ見つけ資料」,「間違い見つけ資料」等があります。



・「ふかめる」段階では,児童は「書く」活動を行います。教師は,個の到達度を捉え,適切な指導,援助を行います。
・ワークシートの工夫を行いました。ワークシートは,「本時の課題が分かるもの」「方途がつかめるもの」「ねらいにあった評価の観点が明記されているもの」を用意するようにしていきました。
・また,前時までの様子から,個の到達度を予想し,ヒントカードを用意したり,ヒントコーナーを設置したりしました。
・研究を進めていく中で,短い時間で課題を解決してしまう児童について問題となることがありました。そこで,レベルアップコーナーを設置し,早くできた児童で表現を高めたり,次の課題に取り組ませたりしてさらに力を伸ばせるように対応していきました。
・また,中間での評価を取り入れ,早くできた児童でお互いの作品を評価し合ったり,悩んでいる児童にスモールティーチャーとしてアドバイスに行かせたりするようにしました。自分が獲得したものを相手に伝えることも,力を伸ばしていくことになると捉えています。




・「まとめる」段階では,自己評価,相互評価を行います。
・自己評価カードを使い、自分ができるようになったことを自覚させます。
・また、仲間や教師の評価によって、自分の活動のよさを認めてもらえることで満足感を味わわせていきます。そのためには、観点を明確にした評価をしていく必要があります。 相互評価をするときには、観点を示したり、ワークシートに課題にあった評価の観点を明記していくようにしました。




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 2つめは,基礎・基本の定着を図るための取り組みです。ここでは,国語科の授業で指導する内容の系統を明らかにするとともに,授業で学習したことを定着させていくためのスキル学習や生活作文の在り方を明らかにしていきました。

・教科書の指導書をもとに,指導内容にどのような系統性があるのかを表にしてまとめていきました。この表には,「書くこと」の指導事項,読むことなど他の領域との関連,また,その単元で指導する言語の力を明記しました。この作成によって,他の領域との系統を捉えることができ,各単元で確実に身につけさせていくべき力を明確にすることができました。

・ただ生活作文を書かせるのではなく,指導事項を明確にすることにより,国語で学習したことが定着していくと考えました。
・社会見学についての3年生の作文です。ここでは,3カ所行った見学地の中から,特に印象に残ったことを 「初め」の書き出しの文に使い,その理由を「中」のまとまりに,自分が学んだことを 「終わり」のまとまりに書くように,意図的に指導していきました。

・また作文スキル学習を,毎週水曜日 8時20分から35分まで行っています。スキル学習では,視写,聴写など中心に行っています。また、国語の授業の始めを使い、「言葉の言い換え活動」や「解気感想」など表現力を高める活動なども行ってきました。

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(研究の成果)

生活作文や他教科での記述において、学習したことを生かして書こうとする児童が出てきた。
意図的な体験の場を作り、5つの言語意識を具体化することで相手や目的を意識して意欲的に取り組むようになることが明らかとなった。


(今後の課題)

ヒントカードやコーナーの効果的な利用を工夫し、表現に生かすことができるようにしていく必要がある。
観点を明確にした相互評価を行い、仲間と表現のよさを認め合えるようにしていく必要がある。



(研究の成果)

「5つの言語意識」を明確にした単元構想を立て,児童に見通しをもたせたことで,効果的な表現を使って思いや考えを伝えたいと願う児童が増えた。
単元指導計画の中に,資料を読み取る時間を設定したことで,文章の組み立てや表現の工夫を明確に捉えられるようになり,それを生かして文章を書けるようになってきている。
導入において,比較資料や挿絵などの資料提示を行うことで,追究の目的や方法が明らかとなり,学習活動に見通しをもって取り組むことができた。
視点を明確にした相互評価をすることにより,相手の表現のよさを認めたり,よい表現を自分の表現に取り入れようとしたりする姿が出てきた。特に,中間評価では,アドバイスを受けたことにより,修正していく時間が確保できるとともに,アドバイスすることで自己の表現力を高めるのに有効であることが明らかとなった。
生活作文や他教科の記述において,作文スキルや国語の時間に学習したことを生かして書こうとする児童が出てきた。


(今後の課題)

「何を」「どのように」といった個のつまずきを的確に捉えていく必要がある。このことによりワークシートやコーナーの効果的な活用の改善を図ることができる。
「書くこと」を中心に本研究を進めてきた。今後,国語科における他の領域との関連を図りながら,豊かに自己表現できる児童の育成をめざしてしていく必要がある。



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